フジイチ失敗の巻

  • 静岡県駿東郡小山町
  • 東京都世田谷区
  • 静岡県御殿場市
静岡県駿東郡小山町

御殿場まで自走して泊まった上でフジイチをしようとしたが、道を間違えて須走のふじあざみラインを登ってしまった挙句、引き返す際にパンクして撤退したという話。


今回の旅はいろいろ失敗した。まず、荷物の選定が失敗だ。フジイチとイズイチを一気にやるという大いなる野望を持っていたので、以下のように荷物を詰め込みすぎた。着替えとしてジャージ上下とTシャツと靴下。ビンディングシューズなので替えのサンダルと、さらにビンディングのカバーも加えた。充電セットやアメニティセットも当然ある。その上で、伊豆で野宿するかもと思って寝袋と蚊取り線香も追加した。さらに、カメラの替えレンズやらタオルやらイヤホンやらの細々としたものも追加してしまった。結果として、バッグがパンパンで、しかもめっちゃ重くなった。

出発の時点でバッグがパンパンだと、途中で荷物の出し入れをする際にうまく仕舞えなくななって大変だ。道中で補給食を調達した際も入れる場所に困る。そしてこの重さはハンドルに吊り下げる許容範囲を超えていて、走行時に若干ふらついて危険を感じた。これはダメだ。

なお、バックパックをハンドルに吊り下げた際に車体のヒンジの出っ張りがバッグの背中を削ってしまう問題がある。これに関しては、余っていたカメラストラップを該当部に貼って補強することで解決した。ボンドG17で貼るだけで意外にちゃんとくっつくし、バッグを洗っても剥がれない。

今回は前後輪ともタイヤをシュワルベワンにつけかえて、リムテープの代わりにベロプラグをつけて軽量化して望んだ。これで路面抵抗はかなり減るはずだ。重量も減るが、荷物を増やしたのでそれを実感することはないだろう。

出発して都内を流して走っただけで、シュワルベワンの効果を感じた。路面の細かい凹凸による衝撃を吸収してくれるので、高周波の振動がかなり緩和される。大きい段差などの低周波の振動も若干は緩和してくれる。結果として、路面抵抗が減って軽く焦げるだけではなく、手や尻にも優しい走行感になる。これは良いものだ。見た目も格好いい。

二子玉川を超えて、ひたすら246を進んだ。シュワルベワンの乗り味を楽しんでいるうちに、長津田を超えて、町田を超えて、秦野の善波トンネルを通って、ヤビツ峠入り口のセブンイレブンまで来た。ここまでは知っている道だ。

ここから先が、私にとって未知の領域となる。松田を抜けて、酒匂川を遡って、山北を走り抜けた。箱根をぶち抜く1号と違って、246号は坂が緩やかなのが特徴的だ。キャノンボーラーが1号でなく遠回りになる246号を選ぶというのも頷ける。

静岡に入ると、ずっと登り基調になる。急坂というほどではないが、ほぼ休みなく登ることになる。それでも、山北町の落ち着いた街並みを見ながら走るのは快適な部類だった。

御殿場市に入る手前で、巨大な富士山が見えてくる。でかい。御殿場市に入ってしまうと、いきなり平坦基調になる。まだ全然疲れていなかったので、拍子抜けだった。シュワルベワンのおかげかな。どこからでも富士山が見えるのがいいな。

せっかくなので、五反田アウトレットモールに寄ってみた。サイクリング中なので何も買うことはできないし、サイクリング中じゃなくても服飾類に興味はないのだが、こんな時じゃないと一生行かないだろうから。現地は金満っぽいアジア圏の外人が多かった。

御殿場の市街地は典型的な郊外型大規模店舗が並ぶ街並みで、便利そうだが面白くはない感じだった。私には業スーだけあれば十分だ。今回もそこで飯を調達して、軒先で読書しつつ時間を潰して、19時になったら快活クラブにチェックインした。

二日目。山中湖を目指して138号線を走った。結構な登り基調で、やたら気温が高いのもあり、朝から汗だくである。

138号が途中で自動車専用道になるのでナビを頼りに迂回しつつ進のだが、そこで間違ってふじあざみラインに入ってしまった。富士駐屯地や演習場に出入りする軍用車に気を取られてナビをちゃんと確認しなかったのが良くなかった。

御殿場からずっと登り基調だったが、ふじあざみラインの勾配はそんなものではなかった。斜度12%の直線道がずーっと続いたあと、同じようや斜度の葛折がまた続く。行けども行けども登りで、流石におかしいぞと思った時に、須走の登山道が出てきて気づいた。これは富士山に登っているのであって、山中湖には向かっていないと。

Uターンして下山していたところ、いきなり「パキン」と大音量が鳴り響き、後輪のチューブが破裂した。今回の最大の間違いがここで露呈した形だ。なぜこんなにも舗装状態の良い道で、障害物や散乱物もないのに、新品のタイヤとチューブでパンクが起きるのか。その時点では不思議でしょうがなかった。

パンク修理キットを持ってきていなかったので、そこから10kmほど押し歩きで下山した。途中ですれ違うサイクリストを見ながら、撤退する悲しさを噛み締めていた。

麓の富士山浅間神社のバス停から御殿場駅までバスに乗り、JRと小田急を乗り継いで帰路についた。撤退するのは悔しいが、簡単に撤退できると割り切って荷物を抑えた結果なのでしかたない。というかバッグがパンパンで工具は入れられなかった。撤退を視野に入れて荷物を減らすポリシーがあるのだから、寝袋とかも削るべきだったという反省もした。

家に帰ってから、パンクの原因を調べたところ、チューブの内側が破裂していた。深く考えずにベロプラグの上にリムテープを貼り直してチューブだけ交換して空気を入れたらまた破裂したので、タイヤ側に原因があると思った。新品のタイヤだから問題ないはずだと思い込んでいたのだが、サイドウォールが裂けていて驚いた。

シュワルベワンの耐久性が低いと断じようとしたが、しかしたった200km程度乗ったところでサイドウォールが摩耗するというのもおかしな話だ。しかもシュワルベワンに変える前のマラソンレーサーもサイドウォールの摩耗でパンクしたから引退させたので、タイヤのせいじゃなくて自転車のせいである可能性を考えるべきだ。ワンとマラソンレーサーの破損部分に共通するのはリムと接する部分が避けていたことで、そこをサイドカットする確率は低いとなると。別のものがサイドウォールに触れているはずだ。そして行き着いたのが、ブレーキパッドだ。ブレーキのアームが変形したのかわからないが、パッドが微妙にリムからはみ出している。おそらくこいつがタイヤを削っていたのだ。

こんな小さなことで、そこそこ良いタイヤ2本とチューブ3本を無駄にして、せっかくの自転車旅が撤退に追い込まれた。単なる整備不良という話なのだが、これは直接の失敗経験がないと気づかんて。細部のちょっとした失敗が全てを台無しにするとは、宇宙開発のようではないか。大事なのは、失敗を教訓として学んで、めげずに挑戦を続けることだろう。