中部の旅 : 2日目(乗鞍岳、高山)

  • 岐阜県高山市丹生川町
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岐阜県高山市丹生川町

2日目は、松本を出て西進し、乗鞍岳の畳平に長野側から登って、岐阜側の高山に降りる100kmのコースだ。畳平は自転車で行ける公道の最高標高2716mの場所で、前々から取り組んでみたいと思っていた。


南松本から19号で北上して、それから東に進路を変えると、飛騨山脈が壁のように聳り立つのが見えて来る。これからこんなところを登るのかと少し気後れしてしまう。

実際の行程は飛騨山脈の南側をなぞる感じなので、いきなり激坂が来ることはない。ただし、緩やかな登りがずっと続くことになる。別の人のブログ記事で述べられているが、セブンイレブン波田赤松店が最後のコンビニなので、ここで補給を忘れないようにしておく。食料と水だ。

それを過ぎると、梓川に沿って登っていくことになるのだが、段々と斜度が増して来る。川沿いなのに勾配10%もあるとは、これからが思いやられる。

稲核ダムを通り過ぎると、風穴の里という道の駅があるので、そこでも補給はできる。ただし、朝9時からの営業なので、それより早い場合には先述のセブンイレブンが最後の機会だ。道の駅で地図を見ながら一息ついていたら、観光バスの中高齢者に囲まれて、「どこまで行くの?ちっちゃいタイヤでよく登ってきたねー」などといろいろ聞かれた。登坂抵抗と車輪の径はあまり関係ないんだけどね。

ところどころにトンネルがあるおかげでだいぶ斜度が抑えられている気がする。なかなか珍しいトンネル内の分岐も通ることになる。鼻腔の中を通っているような気分だ。

奈川渡ダムを超えて湖の北岸を進んでいくと、乗鞍高原への分岐が見えて来る。ここで左だ。高山の表示に釣られて直進しないように注意だ。

いよいよ峠道っぽくなってきて、8%や10%の急坂も増えて来る。ただし、乗鞍高原と呼ばれる地域はまだまだ長閑なペンション村といった雰囲気で、緩斜面もそこそこある。

高原の終わりに乗鞍観光センターが見えて来る。バス輪行で乗鞍に挑む人はここが出発点になるらしい。彼らと同じ条件になるためには、ここでしっかりと休息をとって脚力を回復させておきたいところだ。

ここを過ぎると乗鞍エコーラインという道になり、自家用車の侵入が禁止になるので、車にびびらずに走れるようになる。ただし、バスや地元関係者の車両は通るので注意だ。勾配はどんどんきつくなってくる。スキー場になっているのも納得だ。

乗鞍エコーラインにもカウントダウン式の標識があるのだが、こいつが曲者だ。カーブ毎に看板があるわけじゃなく、不定期に出て来る感じなので、距離感が全然わからない。しかも各標識の間隔がやたら長いので、数えていると絶望的な気分にすらなってくる。

そうこうしているうちに、斜度はどんどんきつくなり、九十九折りもばんばん出て来る。ギアもアウターロー(52T/18T)では辛くなって来るので、虎の子のインナーロー(36T/18T)に切り替えた。ブロンプトンで変速比2.0だと700Cのロードバイクの1.27に相当するわけで、よほどの激坂でなければシッティングで登れる。ただし、登りが本当にずーっとずーっと続くので、持久力だけじゃなく忍耐力が求められる。

遥か先の崖の上にうっすら見える道に自分がこれから向かうと思うと心が挫けそうになると同時に、振り返って今まで辿ってきた九十九折りを見ると、やればできると思い直して心が奮い立つ。

さらに登り続けると、森林限界を越えて、雲の中の天空の道を通っているような風景になってくる。ここまで来るとだいぶ気温が下がってきて、さらに斜度も落ち着いて来るので、とても走りやすくなってくる。天気の要素も大きいが、渋峠よりは快適に走れた。剣ヶ峰の脇に自転車が止まっていたが、おそらく剣ヶ峰まで徒歩で登っている人のものだろう。私もやろうかと思ったが、どれくらい時間がかかるか読めなかったので控えた。後で考えれば余裕っぽかったので、登ればよかった。

剣ヶ峰を過ぎてしばらくすると、峠である畳平が見えて来る。残念ながら雲が多くて景色は良いとは言えなかったが、幻想的な雰囲気が楽しめたのは良かったかもしれない。

そして、畳平に到着。松本駅が標高586mで、ここが2716mだから、2200mくらい登ったことになる。その割には疲れは溜まっておらず、まだまだ走れる感じだった。それでいて、やり切った感、達成感がとても大きかった。自転車で行けるここより高い場所は国内にはないのだから。「ブロンプトンはどこだって行ける」論をまた補強できた。

しばらく休憩していたら、びゅーびゅーと風が吹いてきて、めちゃくちゃ寒くなってきた。体が震えて歯がガチガチしてきたので、さっさと下山することにした。

下りは体力的には楽ちんなのだが、速度に乗るとさらに風が強くあたるので、とにかく寒かった。寒過ぎて速度を落としながら下った。

そんなこんなで岐阜側の里まで降りてきた。なお、長野側のファイナルセブンに対応するのは、岐阜側のファイナルローソンであるローソン高山丹生店である。

山を下ってちょっと走ったらすぐに高山市街地が出て来る感じだった。岐阜の山奥と思っていたが、意外に発展した街だった。

「古い街並」とそのまんまの名前の区域があって、そこはかなりレトロな感じでよかった。何時代の印象を作ろうとしているのかはわからないが、とにかく懐古的な雰囲気の醸成には成功している。川越よりもよっぽど良い。

特に何があるわけでもないことは知っていたが、高山城跡にも来てみた。金森長近とか、よっぽどの日本史オタクでないと知らんだろ。

さすがにここには快活クラブはないので、普通の安宿を取った。朝食付きで6000円はホテルとしては最安の方だと思うが、2000円で一泊できる快活に慣れているとそれでも損した気分になる。それはともかく、やはり疲れていたらしく、飯食って酒飲んだら即落ちしてぐっすり眠った。