DHバーで千曲ロングライド

Anchor RE8で、松代と千曲方面まで走ってきた。千曲川サイクリングコースも走った。平坦基調のコースかつ向かい風と言えばDHバーの出番である。やはり、めちゃくちゃ楽だ。


ブルベ練習の第2段で、110kmほどのコースを作った。前半は真地蔵峠を登って降りて、後半は千曲川沿いに平坦を快走するという計画である。ついでに、松代城、川中島、あんずの里などの観光地も巡ってみた。獲得標高は1846mであった。

今回は、Anchor RE8上でのDHバーの使用感を試すのが主目的である。20mmアダプタを左右2枚ずつ噛ませて、DHバーとサドルが同じ高さにすると私にとっては呼吸と操作性と空力性能のバランスが最も良くなる。

真田の集落を通って新地蔵峠というのに登ったのだが、真田側はなだらかで登りやすかった。しかし、峠を越えてからは10%の勾配がずっと続いて一気に1000mも下るという鬼のような坂になっていた。下りだったから苦労はしなかったが、あまりの勾配と九十九折が怖すぎて全然速度を出せなかった。

前半の登坂区間でもDHバーは役立った。登坂では車体全体が後ろに傾き、それを相殺すべく前乗り気味になるので、サドルの前の方に荷重が集中する。同じ姿勢でずっと漕いでいると会陰の周辺が圧迫されて痛くなってくるので、適宜ダンシングを入れて血流を回復させる必要がある。しかし、ダンシングは膝に負担がかかり、また心拍数を急激に上げて脂質代謝を阻害する可能性があるので、できるだけやりたくない。そこで、ダンシングの代わりにDHバーを握って、尻の血流を回復させる。DHバーを使うと肘とペダルに荷重の大部分を逃がせ、かつ数分間続けても心拍数が急激には上がらないので、尻を十分に休ませることができる。急斜面ではダンシング、緩斜面ではDHバーといった使い分けをしてもいいかもしれない。

松代城趾。川中島合戦の武田側の拠点だったそうだが、江戸時代は松代藩真田氏の居城だったそうな。再建史跡だが、場内が桜の広場になっていて、なかなか雰囲気が良かった。

川中島古戦場跡。ここは何度か訪れているが、まあ単なる原っぱである。

ここらで汗が冷えて猛烈に寒くなってきたので、先日ロングライドの雨具および防寒具として買ったモンベルのトレントフライヤーを出してみた。ジップロックのMで圧縮するとサドルバッグにも入れやすく、そして来てみると、生地がペラペラな割には意外に暖かい。これは当たりだった。

今回の主目的地である、あんずの里。一目十万本という売り込みで、本当に10万本あるかどうかは知らないが、確かに村中が杏の花だらけで桃色に彩られていた。香りはあんまりしない花だ。杏を土産にしようとも思ったが、考えてみれば花が咲いているということは実はまだなっていないので、躊躇した。

あんずの里から千曲方面に抜けるために宮坂峠というのにも登ったが、こいつも20%区間とか出てくるなかなかの坂だった。それを超えると、千曲川と千曲市街を見下ろしながら走れてかなり気持ちが良かった。

篠ノ井に降りて、さらに千曲川の南岸にある戸倉上山田温泉。ここでまったりKindle読書などしてみる。

そして、DHバーの本領発揮の平坦路である。ちょうど良くほぼ無風だったので、その威力を純粋に味わえた。高速走行時は普通に上ハンドルを握ると人間パラシュート状態になるので、当然、下ハンドルを握るのだが、それでも身体が押し戻される感覚がある。そこでさらにDHバーを握ると、ふっと軽くなる感じがする。30km巡航の際のパワーは、上ハンで直立気味の姿勢で200Wくらい、下ハンで伏せ気味になって170Wくらい、DHバーだと160Wくらいだった。

DHバーは上半身が休めるので、とにかく楽だ。25km巡航くらいに速度を落として、音楽を聞きながら走っていると、むしろリラックスして散歩しているようなものだ。25km出ていても、心拍数は120bpm未満に抑えられるので、脂質代謝を余裕で維持できる。上ハン、下ハン、DHバーと適宜に握り変えることで、手や尻の圧迫部位を変えられるので、疲弊部位を集中させずに長時間走ることができる。

出会い頭の事故が起こりそうな住宅地や商業地ではDHバーを握るべきではないが、それ以外の区間では普通に使える。普通に上ハンや下ハンを握っている時にも、飛び出しがあるかもしれないと予測される場所ではブレーキレバーに動かない程度の圧をかけて備えるだろう。同様に、DHバーを握っている時に危険予測がある場合には片手だけブラケットに移すと良い。上半身はDHバーに預けたまま片手を移したり戻したりする操作は、慣れると全く疲れない。それを会得すると、幹線道路のほとんどの区間ではDHバーを握っていられる。

まとめ。登坂と平坦を含むコースでDHバーを使って、その有効性を実証した。レースではないロングライドやブルベでも、貧脚ホビーサイクリストにとっても、楽に長く速く進むのにDHバーは明らかに有効だ。DHバー本体とアダプタで合計400gくらいの重量追加になるが、完全な山岳コースでない限りは、DHバーをつけていて損はないだろう。