BRM509群馬400 高崎 大洗の海を見にふらフラット

3回目のブルべにして、SR獲得への中ボスとなる400kmに挑んだ。高崎からひたすら東進して大洗の海を見て、霞ケ浦の南を回ってから西進して高崎に戻るというコースだ。結果としては、17時間43分で完走できた。BRMの1日の走行距離は400kmが最も長いと言われているので、それを完走できたことは自信になった。


準備

制限時間27時間以内に400kmを走るとなると、通常は仮眠を取らずに1日に400kmを一気に走り抜けることになり、肉体的な要求水準が600kmよりも高いとも言われる。それにびびった私は、できるだけ平坦なコースを探してエントリーした。それが今回のBRM509群馬400である。その名の通り平坦基調の優しい設定で、獲得標高が1300mしかなく、焦らずまったり走れば誰でも完走できることを期待して企画してくれているのだろう。

200kmと300kmのブルべを既に走っているので、車体や装備品に関しては特に新調しなかった。200kmや300kmでも前泊セットを持ち運ぶので、400kmや600kmになったとて持ち物は変わらない。途中で作る特製ドリンクの袋の数が増えるくらいだ。ただし、前日になってCat Eyeの尾灯1つを紛失していたことに気づいて、ダイソーの300円の尾灯を購入する羽目になった。メインで使う電池式のCat Eyeウェアラブルミニのが夜通し持つので2個目はお守りみたいなものなのだが、それにしてもこいつは暗くて電池持ちが悪くて心もとない。

200kmと300kmに関しては正直余裕と思っていたので、前日にTSS170とか走りこんで現地入りしていたのだが、400kmに関しては真面目に調子の管理をした。パワーメータを新調し、コーガン式のパワートレーニングを検討した経緯については以下の記事にまとめた。

ここ2ヵ月くらいかけてCTLが100になるように調整した上で、直前3日間はTSS50にしたので、CTLは96.5かつATLは81.5になり、TSBは+15になった。言い換えると、2ヵ月走りこんで基礎体力作りをしたうえで、直前は適度な負荷をかけつつも十分な休養を取って、絶好調な状態に仕上げたということだ。前日の現地入りも交通費をケチらずに新幹線を使って、そのうえで高崎市内を流して走ってTSSを調整した上で、仕上げにいつもの銭湯で熱風呂と冷水浴びで整えた。

例によって快活クラブの個室に泊まって、芋ケンピやらプリンやらを食ってカーボローディングしながら漫画を読んでだらだら過ごした。甘いものをたらふく食ってよいという、この時間が至福である。

今回の完走以外の目標として、全行程を車載カメラでインターバル撮影してタイムラプス動画を作るというのを掲げた。そのためにInsta360 Ace PRO2を買って、車載マウントを整えて、バッテリー管理などの予行演習もした。3秒毎のインターバル撮影でもバッテリー持ちが悪すぎて管理が面倒だが、バッテリー2個とモバイルバッテリーによる急速充電もしくは給電運用でなんとか頑張る。

出走前

200kmでも300kmでも、朝の準備に予想以上に手間取って朝飯を食い損ねるという失態をしていたので、今回はちゃんと朝食用のプリンを残しておいた。朝4時45分に起きて、プリンを食って、荷物をまとめて5時15分に出立し、5時半に集合地点の城南大橋にちゃんと間に合わせた。起きてから30分で出立するには自転車を組み立てる時間がないので屋外に駐輪する必要がある。盗難が心配だが、最も目立つ場所に置くという逆張りで乗り切った。

集合場所についてみると、もう多くの参加者が集まっていた。400kmともなると経験者ばかりなので、ラジオ体操の会場かのように皆が落ち着いている。私ももう3回目なので、特にドギマギすることもなく人間観察やら機材観察やらをする余裕があった。ブリーフィングも滞りなく行われ、車検の後に流れスタートとなった。

PC1まで

事前に考えていた今回の走行時のテーマはVI(Variable Index:変動指標)をできるだけ1に近づけることだったのだが、のっけから崩壊した。最初に混ざっていた集団が自分の理想よりほんの若干速いからだ。かなり速いなら、自分だけ取り残されてソロでペースを守れるのだが、若干だけ速いと、信号等で追いついてしまうことが多く、むしろついていったほうがよくね?って気分になってしまう。ドラフティングするわけじゃないのだが、コース取りについて考えなくていいので楽だし、グループライド的な楽しさもある。

しばらく走っていたら、集団のペースが想定より速くなっていった。前を引くAJ団体のウェアを着たベテランっぽい人は信号ダッシュもしないし速度も一定でついていきやすい走りをしてくれるのだが、気が付くとネット平均30km/hを越えていて、パワーも200Wとかたまに出してしまっていた。加速や減速を入れて30km/h超えということは、安定走行時には35km/hくらい出ていたということだ。パワーが一定というよりは、速度が一定なので、ちょっとした登坂や逆風でパワーを出しすぎてしまう。とはいえ、35km/hくらいで走ると気持ちがよいので、ノリでついていってしまった。渡瀬遊水地の河川敷を走っている時とか、気分が良すぎてウヒョーとか声出た。とはいえ、追い風が加速度的に黒字になる時以外はDHバーを握るのを徹底してパワーを節約し、なるべくL2範囲を越えないように加速もジワジワと行って節約に努めてもいた。この地道な努力が後半に効いてくるのだ。

どうでもいい話ではあるが、ブルベにおける集団走行の成立過程を考えると面白い。元々の知り合いが一緒に走るというのは当然あるのだが、それ以外でも、知らない人同士が集団になることもままある。今回私が付いって行った集団も、特に知り合いというわけでもない人が多かったように見受けられる。以前にも書いたが、誰かを敢えて追い抜く際には、追い抜いた上に引き離す意思を伴う。他人の前に出たのに遅いということは、その人の走行をブロックすることになる。必要なら抜き返せばいい話なので、前に出ることが失礼というほどでもないが、抜いてから抜き返されるとお互い若干気まずい。そうすると、少なくとも直後の数10分間においてその人の走力よりも自分の走力の方が上である状態を維持できる場合にのみ、追い抜くことが妥当となる。そこから推論すると、集団の先頭にいる人は、その集団の構成員の多くに一目置かれていると言って差し支えないだろう。「この人より速く走り続けるのは大変だな」と思うから抜かずに後ろに付くのだ。私のような捻くれ者になると「『この人より速く走り続けるのは大変だな』と思われながら走り続けるのはもっと大変だな」などと感じて、人の前に出るのをなおさら控えてしまう。あと、前に出ると右左折や停車や歩行者接近の際にハンドサインをするのがマナーだが、それを判断するのが面倒というのもある。もちろん、相手のペースが明らかに自分より遅い場合にはサクッと抜くだけなのだが、明らかに遅いかどうかの判断をするにもそれなりの時間がかかる。そんな中で集団の先頭になる人というのは、束の間の関係性ではあるが、一目置かれている人なのだ。

車載カメラについてだが、デフォルト設定だとインターバル撮影中でも60分で勝手に停止するので、そのせいで全行程を撮るという野望が序盤で潰えてしまった。気づいたときに再撮影を始めてベストエフォートで撮ることにした。何事も最初は失敗するものだ。内蔵バッテリーでは2時間程度しか持たないことが分かったので、スペアバッテリーに入れ替えつつPCまでは持たせることにした。

PC1のセブンイレブン結城南茂呂店に到着。8:28~11:36がオープン時間で、9時3分についた。30km/h巡行しているだけに、当然余裕だ。今までのブルべでPCの制限時間はほぼ考えなくても間に合うことはわかっているので、その後は特に気にするのを止めた。今回もPC毎にオニギリ1個を食って特製ドリンク750mlを作り直すという補給戦略を採用した。PCに付いたらまずオニギリを買って、それを食ってから、心拍数を落ち着けつつ、その他の作業を行う。食べ物が胃を通過するまでには2時間以上かかるので、各PCの滞在時間を15分とかに伸ばしたところで消化が劇的に進むわけじゃない。しかし、走りながら食べるよりは、消化処理を初動させて胃液を出させておいた方がマシだろうし、よく噛んで食べる余裕があるので、それは消化の効率を確実に向上させる。

PC2まで

PCでの滞在時間は個々人で違うので、PC1から先は集団がばらけることになるのだが、まだまだ間隔が詰まっているので、近いペースの人が数人の集団になることはままある。私もソロでPCを出たのだが、30km/h巡行の感覚が残ったまま快調に走っていたら、前を走っていた人に追いついて後ろに付くことになった。追い風なのもあって、PC1までと同様に30km/h巡行を続ける感じになった。やっぱ人に付いて行く方が気楽だ。そして、天気もよくて、筑波山が美しい。本当に気持ち良いサイクリング日和だった。

ここで失態をした。カメラの給電運用でトップチューブバッグに入れたまま使っていたモバイルバッテリーが、路面の段差を踏んだ際に飛び出して地面に落ちてしまったのだ。戻って拾ったが、壊れていて、単に重いゴミになってしまった。この時点で行程の記録としては完全挫折だ。

途中で先達がコンビニに消えていったあと、前にまた自分より若干速い人がいた。絶妙に自分より速いので、なんかついていきたくなってしまう。パワー配分のことを忘れているわけじゃなかったが、DHバーで空力を稼げばL2上限の167Wでも行けんじゃね?と思ってしまったのだ。実際には167Wぴったりで走れるわけもないので、時に150W、時に200Wとか出てしまうのだが、平均的にL2上限になれば良しとして奔放な走りをしてしまった。おかげで中盤で彼を抜いてしまい、そして抜いたからには後ろに付かれた場合に遅いと申し訳ないので、ちょっと速めに走ってしまった。我ながら若い走りだ。追い風でグイグイ押されるから気持ちよかったというのもある。

大洗についた頃には完全ソロになっていた。ガルパン聖地巡礼したい思いに駆られながらも、初の400kmでそんなことをしている余裕はないと思って断念して進む。タイムチャレンジ的なことを考えなければ実際には余裕があリ過ぎることは分かっていたのだが、ウサギとカメのカメ作戦を標榜しているので、ウサギ的な余裕を見せるわけにはいかん。調子こいて飛ばしちゃったけど、ウサギじゃなくて速めのカメということにする。

PC2のセブンイレブン大洗海岸店には12時29分に着いた。誰もいなかったので、おそらく一番乗りだ。私の観測範囲外で爆走して先に到着した上ですでに出立した人がいる可能性は排除できないが、さすがにあの巡航速度以上でここまで走ったら400kmブルべのペース配分としては破綻しているだろうと思った。それは自分のペース配分が破綻しかけていることをも意味する。つまるところ、1番乗りであることは危険の予兆とも言えよう。

PC3まで

PCを出て霞ケ浦まで南下する。途中の道は平和な農村といった感じで、幼き頃を思い出しつつも快調に走っていた。茨城や千葉は高低差が少ないコースを作りやすいとはいえ、ここまで平坦なコースを選定するのは手間がかかっただろうと思った。

PC3のセブンイレブン行方麻生店には14時30分についた。若干の疲労感がでてきたのと、食欲が減退してきたのを感じた。PC1とPC2では昆布おにぎりを食ったが、ここではアイスモナカにしておいた。血糖値の上昇が心配だが、おにぎりの気分じゃなかったのだ。さらに、ハンガーノック気味になった時のことも考えて、メロンパンも買っておいた。

PC4まで

霞ヶ浦の南端にある北利根橋を渡って、折り返して西に向かう帰路に入る。この時点で、なんだかやたら強い向かい風を感じるようになった。土地が平坦で高い建物や木々もないだけに、かなりの風圧を体に感じることになる。

それから、とにかくがむしゃらに風に逆らって進むことになった。200W出しても25km/hも出ない。200Wは出しすぎなので160Wくらいに抑えたいところだが、風の強弱は刻一刻と変わるので、一定の強さで踏もうとしても踏みごたえが変わってしまって、パワーの制御が難しい。そして突風的な横風が時折吹いてホイールが持っていかれるし、路肩の路面も悪いので、パワーメーターばかりに気を配ってはいられない。リムハイト35mmでこれなので、50mmとか60mmだとだいぶ厳しかったのではないか。

絶え間ない向かい風の中、パワーがあんまり出なくなってきた。疲労が溜まっているのももちろんだが、アイスモナカで血糖値を上げすぎたのが良くなかった気もする。インシュリンスパイクの後の血糖値低下を抑えるべく、道中でちびちびとメロンパンも口にした。余計なことをした分で血糖値をさらに上げてしまい、今まで脂質代謝で安定的にパワーを出していたのに、枯渇しがちな糖質代謝に切り替えてしまったのではないか。安定して150Wを出したいところだが、気がつくと130Wとかに落ちるので、それじゃ駄目だと思って頑張ると200Wとか出てしまうという非効率な走り方になってしまった。TSSの要素となるNPの計算上は30秒移動平均で帳尻を合わせれば良いので、短時間で乱高下するのは許容範囲ではあるが、肉体と精神の疲労が大きくなったと感じた。

その後のことは、もうよく覚えていない。田んぼの真ん中に道がまっすぐ伸びていて、ひたすら風に晒されていた記憶だけある。罰ゲームかよと思いながら走っていた。後から聞いた話だが、その数時間後には風が弱まって快適に走れたらしい。どこかで休憩して海鮮丼でも食っていた人々こそが勝ち組だろう。

PC4のセブンイレブン阿見追原南店には16時30分についた。つまり2時間くらい強風に吹かれていたことになる。記憶が皆無なのだが、その状態でもそれなりのペースで走り続けているあたりは、高ストレス状況下でも初志貫徹するそれなりの意志力を持っている自分を褒めてあげたい。記憶が残っていない時のために全行程記録のタイムラプス動画を作りたかったのだが、撮れなくて残念だ。食欲がなかったので補給食は省略。

PC5まで

土浦市内を走っていたのだが、突然、なんか知っている道に出た。そう、みんな大好き、つくば霞ヶ浦りんりんロードである。鉄道跡地を活用した走りやすくて景色も良いサイクリングロードだ。コース設計者の粋な計らいを感じつつも、逆風がひどすぎて景色を楽しむどころじゃなかったのが実際のところだ。DHバーを握って伏せていると景色が見えん。

風は段々と弱まってはきたが、それでも逆風なので、DHバーに伏せながら走り続けた。西日がまさに視界に入る状態で、信号が見づらくて難儀した記憶だけがある。サイトマスターのサングラスだと逆光でもフレアやハロが出ずに視界の多くは鮮明なのだが、太陽と信号の角度が近すぎる場合はさすがに駄目だ。

残りちょうど100kmというあたりで、日没を迎えた。ずいぶんと日が長くなって、サイクリングにはうってつけの季節だと思いながら走った。日中に長時間走れるというのが、この時期にSR獲得を目指すべき理由だ。

PC5のセブンイレブン加須旗井西店には19時36分についた。もうどっぷりと日が暮れて、どこを走っていたのか良く分からん。ここでも食欲がなかったので補給食は省略。

ゴールまで

300kmの時も経験したことだが、夜になると、外部刺激が少なくなるので、疲労感や尻の痛みという内部刺激を強く認知してしまうことになる。疲労も溜まってきて、油断するとパワーが100Wを下回りそうになる。それではいけないと思って足を回すのだが、150W以上がなかなか続かない。さらに、うっすら逆風が続いているのに、路面がよく見えなくて危ないからDHバーを握るわけにもいかない。なので、下ハンを握って、正気の維持を最優先にしつつ、パワーの維持も気にしながら走った。

終盤には、サイコンのIGS630の発狂問題にまた悩まされた。行きと帰りの区別がつけられないアホの子なので、行きで通った道と同じまたは近くの道を通ると、行きの道に誘導しようとするのだ。突然逆方向に進めと言われて、驚く。残り19kmと書いてある表示が突然残り382kmなどと切り替わる。完全に逆方向に案内されれば気づくのだが、90度曲がるような案内だと気づかずに従ってしまうことが2度ほどあり、合計で10kmくらい無駄に走って戻る失態を演じた。尻が痛い中でそれやられるとSAN値ピンチになる。正気を保つのが最優先なので、埋没費用に決して拘泥しない合理的経済人になるべきと自分に言い聞かせて最善の対処のみを淡々と行った。さらに、アルゴリズムの改善について考えながら走った。個々のノードに開始点からの走行距離を持たせて、走行者が最近辿ったいくつかのノードから予測される次のノードの妥当性をスコアリングするヒステリシス的な手法を導入すれば、19kmから382kmになるようなチャタリングは防げるはずだ。現実的には、IGS630のファームウェアはもう更新されないだろうから、やはり行きと帰りでルートを完全に分けて登録するのが良いだろう。今回はそれを忘れていた自分の失態でもある。

各種の空想に耽りつつひたすら走っていたら、ゴールの城南大橋に着いた。寒さも忘れて走っていたので、身体は冷え切っていた。到着時刻は日付変わる前の23時50分くらい。AJ群馬だと、ゴールにスタッフが待っていてくれるのだが、これがなんとも嬉しいものだ。「風めちゃ強かったっす」とかいう話をしつつも、手作りスープをいただいた。塩気がちょうど良く、寒風で冷え切った身体が暖かくなった。運営の方々には重ねて感謝申し上げたい。

300kmでは2番時計だったが、今回は1番時計だろうと思って聞いてみたら、そうだったらしい。ブルベはレースじゃないので順位に価値はないのだが、自己満足度に若干のスパイスがあることは間違いない。ベテランの人々はタイムチャレンジなどしていないから、ガチ勢が参加者に混ざっていなければ、そこそこ頑張れば1番時計は取れるっぽい。

もう新幹線の終電はないので、前夜と同じ快活にまた泊まった。チューハイ1本飲んだら、漫画も読まずシャワーも浴びずに即落ちした。回復を考えるとプロテインを飲んでから眠るべきで、わざわざ持ってきていたのに、飲み忘れてしまった。次回は忘れないようにしよう。翌日に長野まで自走で帰った。脚の筋肉痛はそれなりにあったが、100Wとかでまったり走れば何も辛いことはない。アクティブレストとしては長距離すぎる気もするが、400kmも走れたのだから、80kmくらい走ってもどうということはない。

データ分析と振り返り

経過時間17時間43分で、道間違い含めて410km走ったので、グロス平均速度は23.14km/hだ。走行時間は16時間2分で、ネット平均速度は25.6km/hだ。平均心拍数は118bpm、平均ケイデンスは64rpm、平均パワーは122W、NPは136W、VIは1.11、IFは0.61、TSSは594.7、消費カロリーは8348kcalだった。VIが1.11にもなったのは、前半の本能的な走りと、後半の予想外の逆風のせいだ。逆風はしょうがないとしても、前半の無理はやはり良くなかった。それでも完走には問題なかったし、1番時計も取れたので、400kmだけで考えるなら問題というほどでもない。しかし、600kmでそれをやると翌日に疲労が残って致命傷になりかねないので、自重せねばなるまい。また、400kmだとTSSが800くらい行くと思ったが、今回は平坦基調のコースだったこともあり、意外にも600以下で済んでいる。峠を含むコースだとそうはいかないだろう。今回をもって400kmを分かった気になってはいけない。

今回は走行中にはオニギリ2個とアイスモナカ1個とメロンパン1個だけ食べた。あとは特製ドリンクをちびちび飲み続けただけだ。それで8348kcal消費を賄えて、しかも空腹感もあまり感じなかった。前日のカーボローディングと当日の朝食をちゃんと摂ったのは奏功しているだろう。特製ドリンクの完成度も信頼できる。カーボローディングで2000kcal、朝食のプリン2個で300kcal、オニギリ2個で400kcal、メロンパン1個で400kcal、アイスモナカで300kcalと見積ると、合計3400kcalだ。特製ドリンクを4本飲んだ640kcalと合わせると合計4040kcalだ。つまり、8348kcalの48.4%の糖質は確保できている計算になる。私の脂質適応でのエネルギー消費割合を脂質60%の糖質40%と仮定すると、余裕がある戦略だったと言えよう。アイスモナカとメロンパンを抜くかオニギリに変えても十分間に合う。

速度とパワーのグラフを見ると、前半のやんちゃ走りによって後半が垂れたことが如実にわかる。主に前半に30km/h以上の速度で4時間半も走っている。全体のパワーの配分としては、L1が44.1%、L2が39.4%、L3が11.4%、L4が3.7%、L5が1.0%、L6が0.3%だった。L3以上で2時間40分も走っているわけで、そりゃ疲れるはずだ。しかし、後半に垂れたといっても、信号停止以外では20km/h以上は出せていた。体力(fitness)の指標であるCTLを上げておいたことは、垂れてきて損耗と回復が均衡した状態で走り続ける底力になっていたと思う。

左右バランスは左53:右47だった。やはり無意識に右膝をかばっているっぽい。400km走っても、かばっている左膝もかばわれている右膝も痛くならなかったのは楕円チェーンリングのおかげだろう。走行中に左右バランスを見ると、無意識にバランスを補正しようとして右膝に無理が出る可能性があるので、サイコンに表示しないようにしていた。現状そのバランスでうまく走れているのなら、無理して崩壊させるのは愚策だ。筋力バランスの改善のためのブルガリアンスクワットは続けるが、無理のない負荷で気長に取り組むべきだ。

今回は普通のAdidasのジャージのズボンを履いて走ったのだが、走り終わったらズボンの左右の膝の内側の部分が若干擦り減っていた。シートチューブの末端をバインダークリップで絞る方法で膝に擦りにくいように対策していたのだが、それでも長距離乗ると擦れる時があるらしい。長ズボンを履いていなかったら、膝の皮膚が擦り切れていた可能性が高い。よって、シートチューブは廃止することにした。そこにはブルベカードと財布とスマホとモバイルバッテリーを入れていたのだが、それぞれ別の場所に移す。財布とブルベカードはPCでしか使わないので、サドルバッグの中にする。スマホは走行中に使う可能性があるので、サイクルジャージの背中ポケットにする。モバイルバッテリーはハンドルステム下かトップチューブ下にゴムバンド等で固定する。

今回敢えてタイムチャレンジ的な走りをしたのは、400kmでどれだけ時間の貯金を作れるかが600kmの戦略の基準になると考えたからだ。カメ作戦としては失敗の部類だが、それを代償に自身の走力のデータが取得できた。完走が確実視できる状況では、完走以上の挑戦を入れたっていいだろう。18時間で400kmを走れるならば、残り200kmを22時間で走れば良いことになるので、400km時点で10時間くらい仮眠しても間に合うことになる。しかし、600kmで今回のように平坦ばかりのコースは珍しいだろうから、これだけを基準に考えるべきではない。具体的には、グロス平均速度20km/hぴったりを目指して全行程を走るべきだ。前半350kmを17.5時間、後半250kmを12.5時間で走るなら、10時間の余りが出る。そのうち6時間程度を350km付近での仮眠に当てればいい。前半と後半のグロス速度が同じなら、仮眠場所が多少前後しても戦略を変えないで済む。そして、今回までの経験から学び、ペース配分と補給戦略を少し手直しすれば、600kmも行けるとの確信を得た。グロス20km/hで400kmを走るのは今の自分にとっては難しくないので、あとはその遂行を真面目にやるだけだ。ラスボスに対しては、色気を出さずに、余計な実験をせずに、勝率の最大化を目指して挑む。

来週末に既に600kmブルベの予定を入れていて、再来週末にも600kmの予定を入れている。そのどちらかが完走できればSRが取れることになる。その両方が駄目でも、また次を申し込めば、いつかは取れるだろう。