東日本縦断14日目(稚内)

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北海道稚内市

14日目は名寄から稚内まで走り、さらにノシャップ岬と宗谷岬を梯子したので、223kmも走ってしまった。


気合いを入れて朝6時に宿を出た。ゲストハウスはチェックアウト処理が不要なことが多い。まずは自衛隊の名寄駐屯地の横を通り、名寄盆地の終端である東雲峠を超えた。

美深。特に何もない。

名寄盆地から北の地形は天塩川が作っている。これに沿って下っていくのがこの日の旅の大半である。よって、天塩川を何度も渡ることになった。

音威子府。名前が格好いい。そしてだんだん太くなる天塩川。

北海道命名の地。説明によると、カイとはアイヌのことだそうな。

中川町。ここまで来ると道端からちらほら原野が視認できるようになるのだが、逆に言うとここまでのほとんどの地域は見渡す限りの範囲で開拓済みなわけで、開拓民の努力と根性には感服する。

道北は牧畜が盛んなようで、牧草ロールが転がっている風景が美しかった。

幌延町に入ると、北緯45度線を超える。地球規模で考えると北海道もそんなに北の方ってわけじゃないのだね。

北に行くほど牧草地の割合がどんどん増えてくる。風車がいっぱいあるのにちょっとギョッとするが、若い世代はそれすら牧歌的風景の一部とみなすのかな。

いくつか丘を越えて稚内に入ると、標識にロシア語が混じっていて、日本最北端に近づいているのを感じた。

稚内市街はなかなか賑わっていた。普通に蝦夷鹿が闊歩していて驚いた。住民も慣れっこで誰も気にとめていない。

フェリーターミナル。国内線乗り場からは利尻島と礼文島に行ける。国際線乗り場からはサハリンのコルサコフまで行けたらしいが、2018年を最後に定期航路は休止中らしい。礼文島に行ってみたい気もしたが、次の機会にとっておこう。

稚内駅。日本最北の駅だ。ロマンがある。自分探しの旅を続けてきた者は、旅先に自分など落ちていないことをここで認めざるを得なくなるのだろう。

例によって、駅前商店街は寂れていた。車で国道沿いのショッピングセンターに行く生活なら駅に寄る意味はないから仕方ないところだ。

宿のゲストハウスにチェックインしようと思ったが、先にノシャップ岬に行くことにした。稚内駅から5kmと意外に近い。

ノシャップ岬のすぐそばに航空自衛隊の基地がある。サンダーバードが出てきそうな格好よさ。国防の要だ。

今回の旅の佳境である宗谷岬は翌日にゆっくり行く予定だったのだが、ふと天気予報を見たら翌日は雨とのこと。そして時刻は16時半で、日没まではまだちょっと間がある。これはもう、強行軍でも行くしかない。既に170km走っていて脚が売り切れ気味だが、後悔はしたくない。てことで、大急ぎで稚内市街を通り抜け、宗谷湾に沿って東進した。

稚内市街から宗谷岬までは31kmなので、往復62kmだ。冷静に考えると気軽に行ける距離ではないのだが、晴れた宗谷岬で樺太を目視したかったのだ。海風がビュービュー吹いてなかなか進まないし、ずーっと緩やかにカーブしている関係で行けども行けども目的地が遠のく錯覚に陥ったが、とにかく漕いで、漕いだ。

やっと着いたと思ったら、間宮林蔵出航の地だった。まだ日没には間がある。

さらに3kmほど進んだら、ついに、ついに着いた。今回の旅の最大の目的地、日本最北端の宗谷岬である。背景にうっすら樺太も見える。東京からブロンプトンの自走でここまで来るのは、ちょっと前までは妄想に過ぎなかったが、いやはや、やってみればできるものだ。たまたまいた人にシャッターを頼んだら、いろいろな構図で撮ってくれた。

ひとしきり感動したら、宿のチェックイン時間に間に合うように急いで帰らねばならなかった。帰りの31kmはさすがに足が重かったが、放心しつつ漕いでいたらいつの間にか稚内に戻っていた。途中でキタキツネが居たので「ルールルルルルルル」と言ってみたけど全然寄ってこなかった。

宿にチェックインして、酒飲んでダラダラしてたら速攻で寝落ちしてしまった。めちゃくちゃ疲れていたらしい。