西日本の旅 : 16日目(鹿屋)

  • 鹿児島県南大隅市
鹿児島県南大隅市

16日目は鹿児島から佐多岬を経て鹿屋まで164km走った。今回の旅の最奥である佐多岬の周辺には、私が泊まれる格安宿があるような街は存在しない。よって、鹿児島から桜島までフェリーで渡って、そこから佐多岬に向かうことにした。フェリーを使うと自走の軌跡が繋がらなくなるが、帰路で北九州に行けばそこで繋がるので問題ない。


朝は鹿児島市街を散策した。熊本と同程度の規模感で、路面電車も走っていて美しい街だ。

熊本県庁と県警本部。警察を「マッポ」と呼ぶのは初期の警察機構が薩摩藩の出身者で構成されていたからで、サツマッポの手先という意味でそうなったらしい。この像は初代大警視の川上利良だ。

市街地の中心は鹿児島駅ではなく鹿児島中央駅だ。駅前広場がかなり広くて立派だった。

鹿児島市街は公園がかなり多くて、建物は多いのに空が広くて気持ちが良い。熊本も良かったけど、こちらもかなり環境が良い。

歌舞伎町的な繁華街として天文館という地区がある。酒好きな九州人の中でも際立つ鹿児島人の繁華街は夜になると凄そうだ。

ザビエル公園。ザビエルが1年ほど鹿児島に滞在したのを記念しているらしい。カトリックでは日本の守護聖人らしい。

駅近くのアーケード街がシャッターが多かったが、朝だからかな。

島津斉彬を祀る照国神社。東郷神社とか乃木神社とかもそうだけど、近代人を祀るってのは日本ならではな気がする。

城山展望台から桜島を望み、城山の麓にある西郷像を見た。定番のコースだ。

それから、フェリー乗り場まで行って乗船。ブロンプトンは手荷物扱いなので別料金はかからない。

20分ほどで桜島港についたら早速走り出した。あんまり時間がないのだ。

桜島は溶岩だらけで、火砕流を制御するために空堀が多数掘られていて面白い風景だった。

垂水でひとやすみして、ひたすら南下。海沿いは平坦なので走りやすい。

南大隅市役所を過ぎたあたりで、最後のコンビニのファミマがある。ただし、その先をしばらく進んだトンネルの後に生協があるので、補給はそこですれば良い。

南大隅から先は山がちになってきて、だんだんと体力がなくなってくる。マチュピチュがありそうな山が神秘的だ。

トンネルを越えると根占集落があり、そこに生協がある。そこから先は往復70kmくらい補給ができないので、水分と食料をきちんと確保しておくべきだ。

集落を抜けると、山に入って坂がひたすら続く行程になる。

ちょっと開けた場所があり、ホテルなどがあるが、そこから先もまた坂だ。ヒーコラ登っていたら、バイカーにサムアップで応援してもらった。地味に嬉しい。実際かなり頑張っているから。

でもって、ついに佐多岬に到着。本土最南端の地である。新潟からはるばるここまで走ってきた喜びは大きい。

実際は上の碑よりもさらに先に行けて、佐多岬展望台がある。そこからの眺めは格別だ。九十九島も良かったが、苦労した分だけこちらの感動はひとしおだ。西側には薩摩富士も見える。ちなみに展望台まで自転車で走っては行けないので、自転車を担いで登ったら脚力の残りを全部持っていかれた。

最北端の宗谷岬、最高標高の乗鞍畳平はすでに制覇していたので、最南端であるこの佐多岬を持って私が定めた日本一周の要件である三地点制覇は果たした。自分を褒めてあげたい。しかし、喜びに浸っている暇はなく、さっさと帰らねばならない。夜の闇が迫っているのだ。ここまででかなり体力を消耗しているのに、あの山をまた越えるとなると憂鬱だ。とはいえ、すでに勝利者となった私には多少の坂はウイニングランの一部でしかない(と自分を励まして走った)。

真っ暗になった中をなんとか走り続けて、鹿屋のゲストハウスまでたどり着いた。そこで出会ったロードバイクの兄ちゃんに話を聞くと、東京から6日で鹿児島まで来たそうな。やはり若さとロードの組み合わせには太刀打ちできない。それでも自分なりの道を極めるべく模索するのが人生ということか。